誰にも見てもらえない桜の木

各地で学校の休校が延長された。

次男の小学校でPTA副会長している私。

始業式も入学式も延期となり、今後のことも色々と相談しようと誰もいない小学校へ。

先生方は朝から夕方まで職員室にはいらっしゃるけど、

子どもたちがいない学校というものは

がら〜ん しーん

使われていない教室も、靴箱も、傘立ても、みんななんだか寂しそうに見えた。

先生たちにお会いして話しても、心なしかやっぱり寂しそう。

先生たちといろいろと相談し、雑談中ふと校長先生が

「学校の桜が今満開ですよ。誰にも見てもらえないけど。」

本当だったら、今ごろ春休み中の校庭開放が午前中開かれていて

朝から子どもたちが自転車で運動場に遊びに来たり

サークルの子たちがサッカーボールを蹴っていたり

始業式が始まれば、葉桜になった木々が子どもたちを出迎えて

青々とした緑の葉になれば毛虫たちがワイワイ出てきて

子どもたちがそれを見て「気持ち悪いー!」と逃げ回る。

当たり前だった景色が、今はとても遠く

誰にも見てもらえない桜を写真にたくさんおさめて帰ってきた。

花見も自粛しなければならない今、

今年の桜は今までで一番誰にも見てもらえないかもしれない。

でも、当の桜はそんなことお構いなしに

今日も枝をぐーんと伸ばして堂々と空に向かって精一杯きれいな花びらを咲かせている。

私たちに今できることはなんだろう?

ウイルスを恨むこと?

政府を批判すること?

感染した人を非難すること?

私たちに今できること。

桜の木と向かい合い、レンズを通して考える。

運が良いことに、我が家は今のところ相変わらずのんびりマイペースに過ごしている。

ご飯も食べれるし、テレビを見て笑っていられるし、

ゲームもできるし、コーヒーも飲めるし、

お風呂に入って温まれるし、布団に入ってぐっすり眠れる。

この生活がいつまで続くか、誰にも分からない。

何ができるか。

何をしたいか。

何を大事にしたいか。

こういう時こそ、顔を上げて桜の木に問いてみよう。

今日も晴天。

大きく大きく腕を広げて桜の木はみんなを待っている。

(福岡市/智原美沙)

ABOUTこの記事をかいた人

智原美沙

広島生まれ、広島育ち。ゲームとカープが大好きな長男(12歳)と、兄の真似がとにかく好きな次男(8歳)2人のお母さん。福岡市わたし版ひなたぼっこ版編集長。NPO法人Hand&Foot正会員。自分のこと、日々のこと、子供たちのこと、左手全指欠損の次男のことなどを書いています。