「もう、忙しいわー!」。お母さんはとにかく忙しい。雨が降る日は気合しかありません。山のような洗濯物を前に、そこをなんとかと洗濯機に神頼み。正しく洗える量なのか怪しくても、分割してでも、なんとか回ってくれと頼み込みます。
続いて乾燥のためコインランドリーへ。カゴには入り切らないから、でっかい袋に詰め込んで。雨でびしょ濡れになりながらトランクへ運び出す両手はもうパンパン。乾燥機だって、雨の日は争奪戦です。家の中にも万国旗のように洗濯物が並び、当たって落ちてはムカッとしたり。そんな毎日でした。
ランドリーへの道中、信号待ちをしていました。本当に疲れていたんだと思います。ついてきた息子、当時5歳のエン(六男)が、ふと私に聞きました。
「迷っとる? お母さん」。「へ? うん。毎日なんだかなー、これでいいんかなーって、迷っとるよ!」。
すると息子は不思議そうに続けます。「だから車も迷って、どっち?って言うてるの? どこにゆくの?」。あー! ウインカーね! 私が曲がろうと合図を出していたから、彼には車が「どっち? どっち?」と迷って聞いているように見えたんだ!
「わっはっは! 迷わない! 迷わず右に行くね!」。
心を亡くすと書いて「忙」。トゲトゲしていた私の気持ちはこんな場面でふっと消えて、心があったかーくなる。それも、もう随分昔のことです。
今は、まっちょになったエン(写真下・左)が、私の代わりに洗濯物を畳んで仕舞い、腕がちぎれそうだった重たい袋もひょいと持ってくれます。うれしいけれど、あの日がふと思い出されます。今も私の車からは、あの「どっち? どっち?」という声が聞こえてくるようです。
もうすぐ春。寒い冬があるから、春がうれしい。みんなでくっついて眠った冬が「過去」になるのは少し寂しいけれど。しんどい毎日の中にこそ、たくさんの「どっち?」という愛おしい瞬間が隠れていたんだなと、今改めて感じています。
お母さん業界新聞4月号 あすか母さんのドタバタ日記

































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