関東に1人、関西に1人、熊本、長崎、お空にも。かつては2つの布団にぎゅうぎゅう詰めで眠り、お菓子もお料理も争奪戦だったわが家。「卵焼きは1つずつ!」「おかずは分けてよ!」と喧嘩し、「麻婆豆腐の中のもやしがエビの味がする!」となぞの報告が飛び交い、「タオルがない!」と叫び合う……そんな賑やかなドタバタは去り、今は子ども2人と同居する静かな毎日だ。
そんな折、私は「更年期」に出会った。涙が出たり元気が出なかったり、今までパッパとできていたことができず不安になる。父も年を取り、歳を重ねる寂しさを感じる日々だった。
そんな時、性教育の現場で同僚が言った「おへそにお母さんがおるからね」という言葉にはっとした。
産婦人科看護師の私は日々、お母さんから栄養をもらって育つ命と出会う。「心音がパクパク動いていますように」と祈り、長い妊娠期間を経て無事に生まれた時、健やかな幸せを願ってへその緒を切らせていただくのだ。
へその緒が切れても、命のつながりは永遠。もう会えない母とも離れて暮らす子どもたちとも、私のへそを通してしっかりつながっているのだと深く実感した。
弱った私を見せたくなくても、子どもたちは敏感に気づく。「大丈夫、母さんの子やけん」と、しおれた私を安心させようとしてくれるのだ。だから辛い時は「いざという時はへそを見なさい。手を当ててごらん。母さんがいつでも見守ってるよ」と伝えたい。苦笑いしながらおへそを見る子どもたちと笑い合う時間が、今の私にとってかけがえのない幸せだ。
今の自分にあらがわず、できる限り働き、お弁当を作る。そんな自分でいいと、わが子が教えてくれたから。深いへそに手を当てながら、今日も母のぬくもりを思い出している。お母さんもこうやってお腹に手を当ててくれていたのかな。私を産み、大きくしてくれてありがとう。
(田川亜寿香)
お母さん業界新聞9月号 あすか母さんのドタバタ日記


































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