お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

肥だめに身を投げる状態〜うつうつお母ちゃんの産後道Vol.3~

夫が私の異変に気づいたのは、産後3か月目に入った頃でした。

週末だけ、実家に来ていた夫でしたが、放ってはおけないと判断したのでしょう。

仕事を休んで、私と娘の様子を見てくれていました。

そして、育児能力を失い、夜は不安のあまり眠れず夫にしがみつく私に「病院へ行こう」と言ったのです。

ある晴れた朝、夫に連れられ精神科へ。
その科は、娘を産んだ病院の中にありました。

話はすぐに通ると思っていました。
なぜなら、以前通っていた心療内科からの紹介状
(独身時代に心療内科にお世話になっていたことがあり完治していましたが、万が一のために書いてもらった)を、産科の担当医に渡していたから。

ところが、産後の検診のたび、
また、夜中に何回も電話で泣いて不安を訴えていたにもかかわらず、
全くの連絡・連携は取られていませんでした。

診察は5分もかかりませんでした。

「なんで、もっと早うこんやった? 奥さんは、昔でいう
『産後の肥立ちがわるうして、赤ちゃんば抱えて、肥だめに身を投ぐーごた状態』ですたい!」
と精神科の先生。

夫はただただ、じっと聞いていました。

私はボンヤリと。

幸い、まだ自殺は考えていませんでしたが、
娘とどうやって生きていったらいいのか、わからなくなっていました。

精神科の病院でくだされた診断名は「産後うつ」でした。

つづく

文・写真:マザージャーナリスト 大坪香織

お母さん業界新聞ちっご版Vol.48(2019年2月号)掲載
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.3

 

うつうつお母ちゃんの産後道Vol.1「大丈夫じゃなくても大丈夫!」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.2「娘はかわいいけれど」

うつうつお母ちゃんの産後道Vol.4「ちゃんと育児に戻るため」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.5「回復していく道のりの中で」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.6「不安を取り除けるのは自分だけ」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.7「地域医療の連携で支えてもらった命」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.8「こうしてもらえて、本当によかった!」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.9「暇にしないことが命をつなげた」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.10「産婦人科、心療内科、助産師さんの連携のおかげで」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.11「育児は迷惑をかけながらやろう」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.12「産前・産後うつのあなたと、ご家族の皆さんへ」

2020年度「うつうつお母ちゃんの座談会」
産前・産後うつ経験者の大坪香織さんが話し手の当事者同士の会なので安心してご参加ください。
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ABOUT US
池田彩お母さん大学福岡支局長
お母さん大学福岡(ちっご)支局長/元お母さん業界新聞ちっご版編集長。長女が1歳の頃にお母さん大学に出会いマザージャーナリストに。ペンを持ったことで視点が変化し、「お母さんになれてよかった!」と心から感じる。久留米で活動をスタートして13年。現在は、久留米市合川町の「松葉荘」で居場所づくりをしながら、九州中のお母さんにお母さん業界新聞を届けようと奮闘中。3児(中3、小6、小2)の母/MJプロ/みそまるマスター/みそソムリエ