お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

2つの命を守る「産後うつプロジェクト」~つらいと言える、知ってもらう場づくり~

昨年の6月から、お母さん大学inちっごでは
今、産前・産後うつで悩みを抱えている方やご家族が
少しでも不安を和らげてもらえるよう「産前・産後うつプロジェクト」に取り組んでいます。

産前・産後うつプロジェクトとは?

産前・産後うつを経験したお母さん大学生と今まさに悩んでいるお母さんたちの
月一おしゃべり会「うつうつお母ちゃん座談会」を久留米市と鳥栖市で交互に開催

また、「本当の産前・産後うつって何?」と題した経験者の講演会を3ヶ月に1度実施
サポートをしたい方の勉強の場として、また産前・産後うつを一般の方にも知ってもらう
機会を設けています。

はじめたキッカケ

このプロジェクトは産前・産後うつ経験者のお母さん大学生の生の声から
「私たちにも何かできることはないかな?」とスタートしました。
キッカケとなった2つのエピソードを紹介します。

その1 「つらいよ」といつでも言えるつながり

お母さん大学では、マザージャーナリストとして母として感じていることを発信するだけではなく、地域での顔の見えるつながりを大切にしています。

あるとき、「実は、私、産後うつで先週まで薬を飲んでいたんです」と一人のお母さんが話しはじめました。

「精神科に通院しているのですが、お母さん大学に出会えて、いつでもつらくなったら話を聞いてもらえる、子どもをあずかってもらえる仲間ができたことで、これまで飲んでいた薬を飲まなくてよくなった」と。

すると、「実は私も・・・」と何人ものお母さんが自分も同じだと話をしてくれたのです。

専門機関につながることも、とても大切なこと。
でも、「安心できる顔の見えるつながり」が、
改めて大切なことを、みんなで実感しました。

その2 書くことで自分を整理 自信がだんだん戻ってくる

お母さんたちのマイ新聞でもある地域版に「うつうつお母ちゃんの産後道」というコラムを担当していた産前・産後うつ経験者の大坪香織さん。同じように悩む人の力になれるかもしれないからと経験談を書いてくれていました。

はじまった当初はペンネームでコラムを書いていた大坪さんですが、1年ほどたった頃「本名で書いてみようかな」と。書くことで気持ちが整理されたこと、また新聞として「目に見える形」になることで自信に少しずつつながっていったと話してくれました。

今、この「うつうつお母ちゃん」のコラムは「お母さん業界新聞ちっご版」に毎月掲載しています。

2つの命を守る

国立成育医療研究センターが昨年、産後1年未満に自殺した母親のデータを発表しました。
しかも自殺した時期をみると、出産後すぐの1か月ですでに10人、その後も続き、9か月で13人など、1年を通して起きていました。今や10人に1人は産後うつというデータです。

大坪さんは当時を振り返って
「ごはんも砂をかむような感じで食べられなかった。いつ自殺してもおかしくなかったと医師に言われた」
「産後うつプロジェクトは赤ちゃんとお母さん2つの命を守ることにつながる」と話します。

うつうつお母ちゃんの座談会では

「うつうつお母ちゃんの座談会」には、口コミで知ったお母さんたちが毎月2~5名参加。
住んでいる場所では話しづらいからと遠方からお見えになる方もいます。

まずは体を軽く動かしリラックスしてもらい、
経験者のお母さん大学生が話しの中心となり、手仕事をしながら不安や悩みをお互いに話します。

場合によっては信頼のおける医療機関や行政につないだり、紹介することもありますし、その逆もあります。

私たちにできること、それは、少しでも不安を和らげてもらうこと、表に出てきてもらうキッカケを作ること、同じお母さん仲間が地域にいるのだと知ってもらうこと、専門家ではなく一人のお母さんとしてつながっていけたらと思っています。

メディアでも紹介されました

2019年1月18日 読売新聞夕刊
2019年1月19日 読売新聞 佐賀 朝刊
ヤフーニュース yomiDr.でも紹介されました。
「産後うつ」に広がる支援…経験者と座談会、母子宿泊で心身の休養も

NHK『ロクいち!福岡』2019年1月17日放送

これからの予定

「うつうつお母ちゃんの座談会in鳥栖」
参加費:500円
場所:放課後児童クラブ にじのひろば
(佐賀県鳥栖市田代本町1336 あいりす保育園内)

日程
〇2月13日(水)10時半~12時半
FB「うつうつお母ちゃん座談会Vol8
〇4月10日(水)10時半~12時半

「うつうつお母ちゃんの座談会in久留米」
参加費:500円
場所:子育て交流プラザ くるるん 和室
(福岡県久留米市 天神町8番地リベール5階)
日程
〇5月15日(水)10時半~12時半

サポーターの方、一般の方向けの勉強会の場として
「本当の産前・産後うつって何?」
講師:大坪香織
日時:3月29日(金)10時半~12時半
場所:やかまし村のギャラリー
(福岡県久留米市津福本町834−4)
参加費:1500円

申し込み・問合せ
090-9062-7421(池田)
okaasankyusyu@gmail.com
FBでも情報発信中「お母さん大学inちっご」

子育て中のお母さん。
これからお母さん。
がんばりすぎていませんか?

どうしていいかわからなかったりしてませんか?

イライラすること、泣きたくなること、
自分の気持ちを口に出したり、誰かの話を聞いたりすると
不安が和らぐことがあります。

6件のコメント

素晴らしい取り組みですね。
誰でもがかかる可能性があります。 昔は親族や地域のお節介さんが聞き役になったり、お手伝いをかって出る事で自然解消でいた事も核家族化や弧育てで疲弊してしまいがちです。
行政の取り組みと合致したところも良かったです。できれば、全国に広げたい内容です。
池田さんのコツコツ粘り強く確実にが実りましたね。マイナーな事もメジャーに変えていけますね。
情熱を感じました。

つみさん
ほんとにいろいろです。命の問題に関わることなので、大切に、私たちも気を引き締めてとりくまなければと思っています。
私たちでは決してできることではなくて、たくさんの方の知恵や力が必要で、精神科医などの専門家の話しも聞きながら進めていっています。
またご報告をさせていただきますね。

感動しました!本当にいい取り組みですね。
いつか参加してみたいです!
本当は大丈夫じゃないのに大丈夫と言ってしまうママばかりだと思います。
長く続けて地域に寄り添うってことが本当に大切ですね。

彩さん、地道な取り組みが広がりますようにと願っています。
産後うつが社会問題につながる話だけに、まずは知ること。
繋がりが切れてしまった子育て問題だから、そこをつなげていく努力をね。
産後うつ経験者、お母さん大学第1期生だと思われる私からエールを送ります。

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ABOUT US
池田彩お母さん大学福岡支局長
お母さん大学福岡(ちっご)支局長/元お母さん業界新聞ちっご版編集長。長女が1歳の頃にお母さん大学に出会いマザージャーナリストに。ペンを持ったことで視点が変化し、「お母さんになれてよかった!」と心から感じる。久留米で活動をスタートして13年。現在は、久留米市合川町の「松葉荘」で居場所づくりをしながら、九州中のお母さんにお母さん業界新聞を届けようと奮闘中。3児(中3、小6、小2)の母/MJプロ/みそまるマスター/みそソムリエ