お母さん大学は、“孤育て”をなくし、お母さんの笑顔をつなげています

ちゃんと育児に戻るため〜うつうつお母ちゃんの産後道Vol.4~

夫と向かった精神科では、医師に「産後うつ」と診断され、
「即刻入院!」を言い渡されました。その間、娘と夫は夫の実家へ。

少しずつ元気を取り戻せたら、娘に会いに行くことで、退院後の育児不安を減らせるようにと、
できるだけ実家に病院を紹介してくれました。

泣き出す娘に最後の授乳をした情景と義母に預けて玄関を出るときに聞いた激しい泣き声は、
今思い出しても、胸が詰まります。

入院しても、しばらくは一日中泣いていました。
それは娘と離れたさびしさや、こんな自分であることへの罪悪感。
さらには追いつめられた育時から離れ、心のどこかでホッとしている自分の情けなさや悲しみもありました。

でもあのときの私には、入院することが育児に戻る最短の方法だったので、
今でもこれでよかったと思っています。

「今が一番悪いとき、治療は始まっているから。
お薬の力を借りてなおすのよ。ちゃんと育児に戻れるから」
という先生の言葉を信じるしかありませんでした。

治療は、正常な体内リズムと健康な精神を取り戻すために、
薬を調整して「寝る」ことから始まりました。

寝ることで体力が戻り、食欲が出てくる。体力が戻れば動けるようになる。

動けば疲れて自然に眠れるようになり、精神面も安定し、減薬につながるというシンプルなものでした。

そして、およそ2か月弱で退院できるまでに回復したのです。

つづく

文・写真 マザージャーナリスト大坪香織

お母さん業界新聞ちっご版Vol.49(2019年3月号)
うつうつ母ちゃんの産後道 vol.4

うつうつお母ちゃんの産後道Vol.1「大丈夫じゃなくても大丈夫!」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.2「娘はかわいいけれど」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.3「肥だめに身を投げる状態」

うつうつお母ちゃんの産後道Vol.5「回復していく道のりの中で」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.6「不安を取り除けるのは自分だけ」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.7「地域医療の連携で支えてもらった命」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.8「こうしてもらえて、本当によかった!」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.9「暇にしないことが命をつなげた」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.10「産婦人科、心療内科、助産師さんの連携のおかげで」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.11「育児は迷惑をかけながらやろう」
うつうつお母ちゃんの産後道Vol.12「産前・産後うつのあなたと、ご家族の皆さんへ」

2020年度「うつうつお母ちゃんの座談会」
産前・産後うつ経験者の大坪香織さんが話し手の当事者同士の会なので安心してご参加ください。
他、オンラインでも開催しています。詳細は随時更新中。
★2020年9月30日オンライン座談会 イベントページ

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ABOUT US
池田彩お母さん大学福岡支局長
お母さん大学福岡(ちっご)支局長/元お母さん業界新聞ちっご版編集長。長女が1歳の頃にお母さん大学に出会いマザージャーナリストに。ペンを持ったことで視点が変化し、「お母さんになれてよかった!」と心から感じる。久留米で活動をスタートして13年。現在は、久留米市合川町の「松葉荘」で居場所づくりをしながら、九州中のお母さんにお母さん業界新聞を届けようと奮闘中。3児(中3、小6、小2)の母/MJプロ/みそまるマスター/みそソムリエ